
待ち望んでいた新製品「土工用振動ローラ」を開発しました。
この機械は、 道路や舗装の土台となる路床の締固めのほか、ダムや空港、港湾、宅地造成などの大規模なインフラ整備に使われる機械です。
運転席からの死角を少なくし、機械周辺の目視確認が可能になるよう設計されています。
運転席の窓を大きく、後方が確認できるモニターを設置することで、オペレータが機械周辺を幅広く見渡せるよう工夫し、安全性の向上につなげます。
日本国内において2021年4月よりレンタルを開始し、2022年度から販売を予定しています。

ここで、実際に開発を担当した、開発設計センタの阿部さんにインタビューしてみました。
阿部さんは入社9年目の設計者です。
Q.この製品のセールスポイントは?
運転席から後方の目視確認が、容易に行える車体形状です。
土工用振動ローラは、中大型土木工事現場で土の締固めに使用される機械です。前進、後進を繰り返して作業をする土工用振動ローラは、前方の見やすさと同じくらい後方の見やすさが重要視されています。
そのため、後方のエンジンカバーは、運転席からの見やすさはもちろんのこと、乗らなくても一目で「見やすそう」と感じられるインパクトのある傾斜形状としています。
Q.開発する際に苦労したことは?
新規開発だったため、ノウハウ蓄積のための実験と検証に苦労しました。
土工用振動ローラは、ドラム(鉄輪)を振動させることで、より強く地面を締固められる機械です。小型の振動ローラはすでに製品としてありましたが、振動の強さは小型振動ローラの約12倍も大きく、これまでの知識や経験は活かせるものではありませんでした。
そのため、振動発生装置がある車体前側のみを別の機械に連結させた実験機を製作し、実験と検証を繰り返し行いました。直面する問題に対して、思うような成果が得られないことは何度もありましたが、他部署含め多くの方から協力を得て、都度、乗越えることができました。
チームで協力しながら進めることは、開発設計する上で重要なことだと学び、この経験は、日々の業務の中でも活かされていると思います。
Q.仕事にやりがいを感じる場面はありますか?
入社9年目になりますが、今でも自分が設計した部品を手に持ち、実際に組んでみることにやりがいを感じます。設計通りの出来栄えだった時の安堵感と達成感は是非体験して欲しいです。
また、開発した機械が公表されたときの記事を見たときは、とても嬉しく、この開発に携わることができて本当によかったと思いました。現在は、実際に使われている土工用振動ローラの光景が見られることを楽しみに、日々過ごしています。
阿部さん、ありがとうございました。


次は、ロードローラの安全性を向上させる為に開発した装置をご紹介します。
自動車では大分普及してきましたが、「ブレーキアシストシステム」もロードローラに搭載しています。
ロードローラで締固めする際は、ロードローラの前後で人が作業を行います。不幸にもこの時に人をひいてしまう事故が発生しているのが現状です。
センサーが人を検知し、ブザー音で警告をし、エンジンの回転数やブレーキを自動制御することで、これを回避する為の安全装置となります。

こちらは、周囲環境視認装置「エアリアルアングル」です。車体を上空から見下ろしたような映像をモニターに表示することで、運転手が周りの状況を確認し、接触事故の発生を減らすことが出来ます。
実際に道路上で動く機械を、設計から製造まで行っている会社は、県内では稀だと思います。
自分が開発した、又、製造した機械が動いている姿を見ると、この仕事に就いて良かった。と思える瞬間です。
皆さんもこの充実感を味わってみてください!
キャリア
アドバイザー
須貝
気になったところがあったとしたら、どこですか? なぜ気になったのでしょうか?
無意識の自分の気持ちが隠れているよ。