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会社のブログ
プロジェクトリーダーに聞く、新社屋の3つの架構と建築的面白さ
株式会社ウンノハウス

―狙った「面白い構造」

「彦根先生(前回参照)に意匠設計を行っていただいて、建物の全体像が見えてきた頃、これを実際どうやって建てたらいいのか、構造について考えるようになりました。

費用や時間のことを考えると、全部同じ構造(作り方)で建てた方が、コストも安いし手間もない。

でも、せっかくの木造大規模建築、せっかくの新社屋なのに、全部同じじゃ面白くないよな、という想いもどこかでありました。

 

そんなとき、構造設計をお願いしていた稲山先生から、3パターンの構造の提案を受けました。

”どれにしますか?”と。

社内に持ち帰り、メンバーで話し合ってみるとものの見事に3分割。議論も平行線で、まとまる気配すらありませんでした。

だから、言ってしまったんですよね。それなら3つともやりましょうって(笑)かくして、3つの構造体をもつ、珍しくて面白い社屋となったわけです。」

―用途に合わせた3つの架構(かこう)形式

「柱と梁(はり:水平方向に走る部材。2階の床、天井などを支える)で組まれた構造体を架構といいます。

そもそも木造で難しいのが、大空間を柱無しでつくることです。

ウンノハウスの社屋は、最大12mの空間を柱無しで支えています。これを叶えているのが、用途に合わせた3つの架構形式というわけです。


まずは事務所スペース。

事務所スペースの天井は、屋根なりに傾斜しているため、天井に照明をつけると、明るさが不均等になってしまいます。

作業をする事務所内となれば、それは作業効率を落とすことにもなりかねません。

そこで、ここには「片流れ張弦トラス」(1)を採用しました。低いところを走る部材に照明を組み込むことで、部屋全体だけでなく手元もしっかりと明るく照らすことを叶えました。


続いて、会社の顔ともいえるエントランスホール。ここは「樹状方丈架構」(2)です。

森の樹木を連想させるデザイン性と、屋根を支える機能性を兼ね備えていて、庭をメインに自然共生をコンセプトにする当社にとって、象徴的な造りになっています。


最後がレクチャーホールです。

ここは、イベントや研修を行うための場所で、大きなスクリーンを設置することを当初から予定していました。そのため、あまり低い位置に部材がでる構造だと、スクリーンと重なり支障が出ます。

そこで、採用したのが「V字張弦トラス」(3)です。これにより、スクリーンの設置面には部材がかかりませんので、どの席からも見える、大きなスクリーンの設置が実現しました。


 言葉だとなかなか伝わりづらいので、実際に見てもらいたいですね。建築を志す人や携わる人が、玄関に入ってきて「え、どうなってるんだろ」と関心をくすぐられるような造りを目指しました。わくわくしてもらえたら嬉しいですね」


―人の縁で叶った新社屋

「ただ、こんな構造は稲山先生がいらっしゃらなかったら叶わなかったと思います。

稲山先生は木造構造設計の第一人者で、業界の超有名人。彦根先生にご紹介いただいたときは、もう、驚きました(笑)

3つの構造でやりたい、なんて言ってもお断りされるかとも思ったのですが、実際はご協力いただくことができて…今の社屋ができたのは、関わってくださった皆様が本当に知力を尽くして取り組んでいただいたからこそだな、と心から思いますね。


 余談ですけど、稲山先生に依頼した後、構造計算の計算書が送られてくるんですが、全部手書きでした(笑)構造が特殊すぎて、PCのプログラムじゃ対応しきれないんですね。

何十枚もの手書きでの計算書をこちらが解読して、修正をお願いして、なんてやりとりを数限りなくやっていましたね」


―ゆずれない、命をまもる強度

「稲山先生にお願いをしたのは、耐震性能を最大限に引き上げて頂くこと。

当社では、お客様宅を建築する際も、耐震等級3という最上級の耐震性能をお約束しています。これは、住宅の欠かせない役割が、人命を守ることだからです。社屋も同じです。

そこで、当社の社屋は、官公庁や病院施設のような「災害時でも絶対に倒れてはいけない施設」に課せられる基準と同じ基準で耐震強度を設計しています。

正直、過剰と言われるかもしれません。でも、命を守る強さは絶対に譲れないんです」


―困難だらけのプロジェクト だからこその挑む愉しさ

「構造設計はかなり大変だったと思います。

木造で、大規模で、異なる架構形式で。しかも山形は雪が降って上からの荷重も考えなくてはならないので、尚更です。

 

また、ほかにも大変なことはいっぱいあって、例えば地下水による消雪設備の設置については、そもそも地下水が出るかがイチかバチかだったり。国道と当社敷地の高低差が激しくてそれを解消したいけど、その場合排水経路をどう確保するのか、ということだったり。木造ならではの上階の音が下の階に響くのをどう防ぐか、だったり。

考えることが山積で、毎日朝から晩まで社屋のことを考えてましたね(笑)」

 

「でも、楽しいですよ。きついけどね。

プロジェクトが始まった当初は、取締役にもなっていなくて、実は責任者も別にいました。

それなのになんで私がリーダーになったかというと、実は当時の責任者の一声なんです。

「プロジェクトリーダーに山口を任命する」って言われて…

最初は正直、なんで?って思ってました(笑)

 

でも始めてみれば全部が新しい試み。しかも、やりとりをするのは一流の方ばかり。

無我夢中でしたよ。この期間あまりにも全力で取り組んでたから、社屋が完成した時は、感動以上にロスの方が大きかったかな」

 

―建築を学ぶ人に見てほしい 木造の面白さ

「木造ってあんまり学校で学ぶ機会がないんですよね。

木造の基本的なことくらいしか教わらない。

だから、木造の構造的面白さっていわれても、そもそもぴんとこないかもしれないんだけど、それでも実際見たら、おっ!って思ってもらえる造りにはなってるんじゃないかな、と思います。

建築を志す人に見えてもらえたら、やっぱり嬉しいかな。」


2回にわたり記事にした、新社屋プロジェクト。

建物の大きさやデザインに目が行きがちだが、プロジェクトの経過を知ると、目に見える以上に、細部に至るまで多くの想いや願いが込められていることがよくわかる。

これからも進化し続ける社屋。

どうか多くの方に見に来てもらいたい、と心から思う。


●稲山正弘 -株式会社ホルツストラ

第18回・第20回木材活用コンクール最優秀賞・農林水産大臣賞など、多くの賞の受賞歴をもつ、木造構造設計の第一人者。雑誌掲載多数。


→前半のインタビュー記事「プロジェクトリーダーに聞く、新社屋に込めた想いと、これからのウンノハウス」へ

 

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