
三栄本社は、有名飲食ブランドのフランチャイズ経営や自社オリジナル飲食ブランドを展開し、山形県(38店舗)、宮城県(2店舗)、福島県(1店舗)の合計41店舗の飲食店を運営している会社。
「三栄本社」という社名は知らなくても、三栄本社が運営するお店を知ってる人は多いはず!(下記、展開ブランド一覧)
(山形県内のモスバーガーを経営しているのも三栄本社です)
ヤマガタ仕事ラボ編集部が、三栄本社ってどんな会社なのか取材しました。
コロナ渦で、飲食店って経営大丈夫なの?とお思いの方、こちらのブログをご覧ください。
地元に根付く地域貢献

食によって作られている私達の身体や健康。
食事の醍醐味は、様々な味覚や食感、香りや見栄えを楽しむこと。
「小さなうちから食に関心を持ってもらうことが豊かな感性や心が育つ。食の楽しみを伝える事が食に携わる私達の使命」だと考えている三栄本社では、経営ビジョン『食を通じて人を幸せにする』を基に自分達でできる活動として、山形県内各地の小学校で、モスバーガーを一緒に作る食育活動を行っています。
「モスの食育授業」では、食の大切さを伝える動画を視聴し、食材の食べ比べ・テリヤキバーガーの製造・試食を行っています。
オリジナル飲食ブランド・ とん八では、活気・希望や夢が生まれる「モンテディオ山形」の一助になればとの思いから毎年、モンテディオ山形の選手・スタッフさんに向けて、必勝祈願として「上ロースカツ膳」420食分の寄付をしています。
「正社員=店長」だけはもう古い!パートの店長もいる柔軟な働き方

入社20年・モスバーガーのブランドマネージャー阿部さんは、「”正社員で店長になる”という働き方『だけ』は古い。店長を数年経験して、結婚・出産して子供が小さい時はパートで働いて、子供が大きくなったら働く時間を多くしたりまた店長に戻るとか、ライフスタイルに合わせて働き方を選べるのが自分たちの仕事の良いところ」と話します。
三栄本社では、「奥さんがメインで稼いで、現在はパートで働いている男性(最初は正社員で入社)」もいます。
飲食店の店長というと=正社員のイメージがある方もいるかもしれませんが、こちらの女性・大塚さんは、パートの働き方で店長をしています。(長く働き続けているのはなぜ?という質問に対して、”働く環境が大きい”とコメント)
スタッフ同士助け合うことが多い、仕事をしていて苦にならない、主婦でパートの働き方で店長が出来ているのはスタッフの助けがあるからこそ、と話します。
そんな大塚さんとお互いに助け合ってる社員の山口さん(大学は理系の専攻をしていて、アルバイト入社から社員になる)。
彼にも同じ質問「長く働き続けている理由は?」と聞くと、大塚さんと同様に「環境だったり、シフトの融通がきく」からというお答えでした。
三栄本社で働く複数人の方に話を聞いて、「みんな”働く環境が良い”」って言うのは、なぜだろう?と不思議に思っていましたが、その答えはどうやら、『会社の社風』にポイントがありそうだ、ということが、ブランドマネージャーや社長に話を聞いていく中で見えてきました。
人付き合いが苦手でも大丈夫!コミュニケーションが学べます

飲食業界は、基本的にお休みが平日で、土日は稼ぎ時で人手も必要。
だから、「友達の結婚式がある」「子供の発表会がある」などで、土日に休みたい時は休みの希望を出します。
そんな時、土日に休みの希望を出すのは「土日にすいません…」と申し訳ない気持ちになったりします。
こういった「言いづらいこと」「頼みにくいこと」を相手にお願いする時、普段から相手との関係性が良くない・悪いと自分のお願い・希望が通りにくそう、断られることもありそうですよね。
でも、日頃から「自分に感謝の気持ちを伝えてくれる、一生懸命に自分に協力してくれる」そんな人にお願い・頼みごとをされたら、気持ちよく「いいよ」と言えそうですよね。
大学卒業後、山形にUターンして三栄本社に新卒入社した佐藤さん(入社15年目・どんぶり部門ブランドマネージャー)に話を聞くと、「常に周りの人を大切にすると、自分に返ってくることがすごく多い」と言っていました。
三栄本社のどこの店舗で働く人に話を聞いても「働く環境(人間関係含む)が良い」と言う人が多いのは、佐藤さんと同じように、『もちろん自分も大切だけど、周囲の人間を大切にする』と考え、行動している人が多いからかもしれません。
話を聞くと、入社時点では、「人付き合いが苦手」「店長・リーダーはやりたくない」という人も多いそう。
『でも、やらなきゃいけない仕事をこなすために、お客様やスタッフと関わっていく中で、人付き合い・コミュニケーションを学んで、いろんな人から協力が得られる人間に成長できる』そう佐藤さんは話していました。
仕事もプライベートも『人間関係』って人生をよりよく過ごすためにとても大事なこと、と30代後半の筆者はしみじみ感じます。
その人間関係を円滑にうまくいかせるために必要なことが、三栄本社で働くことで学べるんだな、と思いました。
自分で考えだすと面白い!会社のお金で自分のお店を持つ経営者になれる「店長」

三栄本社では、会長・社長が運営する飲食店のお店を毎日回っています。
会長は働くスタッフと『グータッチ』をする、新入社員も 「社長とも気軽に話せる。気を遣ってくれる。」と言っているそんな会社。
こうやって、経営陣がこまめにお店に顔を出し、働く人に声をかけていると「この間、こんなことがあったんですよ〜」とか「今、こんなこと考えているんです!」なんて話がしやすいですよね。
この経営者との距離の近さも「環境が良い」要因の1つかも。
役職に関係なく、率直に意見をなんでも言える、風通しが良いのが三栄本社の風土。
新しいことを考えたり(企画)、もっとこうしたらいいんじゃないかな?ということを実行したり(改善)するのもスピーディです。スタッフの考えたメニューやシステム・価格戦略は、提案したら翌週には実践されます。
そうやって自分で考えて行動するのが良しとされる社風の三栄本社で、一番自分で考えて行動すると面白い仕事が「店長職」。
『店長』は、売上をどう作るか?を考え、採用も自分で行う、言わば会社のお金で自分のお店を経営する一国一城の主人(あるじ)。
新卒で入社して15年目の現在、「すた丼」や「どんQ製麺」のブランドマネージャーとして働く佐藤さんも、「最初はぼんやりとしかわからなかったことが徐々にわかるようになりました。全くわからない、という方でも、徐々に力をつけていくことが出来る」と話します。
「あ、賃借料って家賃のことか」「水道光熱費ってこれくらいかかるんだ」「材料費・人件費がって、これくらいかかるんだ」と、1つ1つの項目を知っていくことで、段々と”労働者”から”経営者”に脱皮していくというステップを踏んで成長していったそう。
37歳・入社15年の佐藤さんに、質問しました!
Q・店長をやってて面白い瞬間は?
A・結果が出た時。 結果が出ないと悔しい。
Q・成長してるなって感じるのは?
A・店長になって数字が求められるようになり、どこをどうしたらいいんだろう?と自分で考えるようになった時。自分で考えだすと面白いです。
Q・結果が出ない時にどうしますか?
A・別な方向から攻める。いろんな人に相談する・周りの店舗を見にいく(解決策が見つかる時もあるし、自分たちのやってることは正しいと確認する時もある)
Q・それでも、どうすればいいかわからない…となった時はどうしますか?
A・着手しても徒労になってしまうことに取り組むことよりも、成果が出そうなことに切り替える
Q・店長に対して、どのようなサポート・研修体制がありますか?
A・お店の運営は1人で出来ません。周りの人に相談していろいろ聞いて協力してもらえるようになれば、店長として1人前です。
店長たちをケアする立場のブランドマネージャーたちは、新人店長に経営を丸投げせず、店長1人1人のレベルに合わせて、成果の出やすいところから取り組めるようにしています。
店長に「これをやってください」と指示するのではなく、「どうやると良いと思う?」と質問をして、自分で考えてもらう(=仕事が面白くなるようになる)機会を作っているなど、店長が1人で抱え込まず、サポートする体制を作っています。
三栄本社では、月に2度「店長会」を行っています。ベテラン店長の数字がよかったら教えてもらったり、新人店長が新しいことを始めてみましたって言うなら、ベテラン店長が真似したりと、年次に関係なく学び合い・教え合いを行う雰囲気で、事例を共有して課題を見つけたり自分たちがやらなきゃいけないことを店長たちが探す時間を作っています。